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第0章　LabVIEWとは？

0-1

LabVIEW

●本書の概要

　この本は，LabVIEWというコンピュータ・プログラムの開発環境について解説しています．開発「言
語」ではなく「環境」と書いたのは，C言語やBASIC言語のように文字（テキスト）を使って文章としてプ
ログラムを書くのではなく，電気回路図のような絵を描くことでプログラムを作るからです（図0-1）．
このLabVIEWが，最初にMacintosh上のプログラミング・ツールとして発売されたと聞けば，一部の
人にはわかってもらえると思いますが，このユニークなプログラミンング手法のせいもあって，全世界
で熱狂的ともいえるファンを生んできました．
　LabVIEWは便利なツールですが，どんなプログラムも可能な汎用言語ではありません．できないこ
ともたくさんあります．逆に，汎用言語ではとても難しくて手が出せそうにないことが簡単にできてし
まうという，夢のような機能をたくさん持っています．
　単に見かけの簡単さや面白さだけではなく，根底に流れる思想の奥深さを汲み取っていただければ，
LabVIEWの可能性にわくわくしてもらえると思います．そうかといって，学術書のように難しい理論
を並べてもしかたがないので，なるべく身近な事柄を例にあげて，できるだけ平易に説明しました．そ
のぶん，言葉の意味として厳密には正確でない表現がありますが，そこはだいたいのイメージとして受
け取ってください．
　本書の対象とする読者は，パソコンをただの事務機ではなく「インスツルメンツ」として活用したい

図0-1　LabVIEWは絵を描くことでプログラムを作る

（b）（a）のプログラムを実行させた温度計のフロントパネル

（a）温度計のプログラム