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第2章　システム・コントローラと仮想計測器

2-1

●制御とは

　PCで外部の物理量を測定できるなら，逆にPCで外部の物理量を変化させる（制御する）こともできる
はずです．例えば，ランプを点灯させたり，ヒータの温度を調整したり，モータを回したり，機械を動
かすことなどです（図2-1）．
　現在では，ある程度決まっていることなら，PCに標準的に装備されている機能や一般的に市販され
ている機器を接続して実現できます．音を鳴らすことはサウンド機能を使えばできますし，高度な音楽
は外部音源をMIDIなどのインターフェースで制御することで実現できます．
　さらに対象を広げるためにはPCから外部機器を動かすための信号を取り出せなければいけません．
それがアナログ信号ならばD-Aコンバータ，ディジタル信号ならディジタル出力インターフェースを使
います．

●D-Aコンバータ

　A-Dコンバータとは逆に，ディジタル・データをアナログ信号に変換するのがD-Aコンバータと呼ば
れる変換器です（図2-2）．A-Dコンバータとは変換の方向が反対ですが，性能の指標は似ていて，おもに
ビット数と変換速度です．ビット数はディジタル・データの何ビットを出力電圧範囲に割り当てているか，
つまりどれくらい細かい単位で電圧を変化させられるかを表します．また，時間的にどれくらい高速に
出力を変化させられるかは変換速度（または最高変換クロックや変換時間で表現される）で表わします．
　PCで作ったディジタル・データは，D-Aコンバータでアナログ信号に変換することができます（図
2-3）．波形データをPC内で作って連続で出力させれば信号発生器になります．

図2-1　外部機器の制御

PCでロボットの制御をしたり，ヒータの温度を調整できる

図2-2　ディジタル・データをアナログ信号に変換す
るD-Aコンバータ