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第4章 LabVIEWプログラミング

きるようになります.
 この後,サンプルVIを目的に合うようにVIを改造していく例を紹介します.

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●作成するVIの要件

 それでは,LabVIEWによるシステム設計に挑戦してみましょう.ここでは,LabVIEW用の拡張ハー
ドウェアを持っていなくても計測プログラムの作成を体験できるように,PCに標準で備わっているサ
ウンド機能を使って音声帯域の信号を取り込んで処理したり,テスト信号を出力したりすることができ
るVIを作ることにします.ただ単に信号が見えるというだけでなく,それなりの計測ができるように
してみます.
 まず,ライン入力またはマイク入力から信号を取り込んで,パワー・スペクトラム解析ができるVI
を作ります.信号を連続的に取り込みながら,時間波形とパワー・スペクトラムのグラフを更新します.
時間波形は電圧で読み取れるようにし,パワー・スペクトラムはV

rms

2

単位で移動平均処理をします.

周波数帯域は,20Hz〜20kHzを目標にします.
 その次に,テスト信号を出力するVIを作ります.目論んでいるのは,テスト信号を出して測定対象
とする回路に入力し,出てきた信号を先に作った解析VIで取り込んで周波数特性などの伝達特性を調
べるシステムです.

●サウンド機能を検討する

 一昔前までは,PCのサウンド機能は拡張カードを使って追加していました.有名なのは「サウンドブ
ラスター」という製品で,その仕様が「SB互換」としてデ・ファクト・スタンダードになっていました.
 PCのサウンド機能が標準装備されるようになったころ,AC’97(オーディオ・コーデック97)という
インターフェース規格が普及しました.論理コントローラとアナログ・コーデックを分離する構造で柔
軟性をもたせています.論理コントローラはサンプリング周波数変換やサラウンド演算などを行い,こ
れをソフトウェアで処理することにより安価にできます.コーデック・チップがA-D変換とD-A変換を
行います.
 現在は,AC’97の後継であるHD Audio(ハイ・ディフィニション・オーディオ)が標準です.PCに
内蔵されているだけでなく,拡張カードやUSB接続のサウンド・デバイスもほぼこれに準拠している
ので,ハードウェアが違っていてもWindows上の設定画面は統一されています.とはいえ,ハードウェ
アの機能によって画面に現れる項目が多少違います.

●PCのオーディオ端子

 ほとんどのノートPCは,マイクロホンとスピーカを内蔵しています.さらに,ヘッドセットを接続