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4-2 システム設計をしてみよう

できるようにマイク入力とヘッドホン出力のコネクタを備えています(図4-8).たいてい3.5mm径の3
極ステレオ・ミニ・ジャックですが,中には4極のコンボ・ジャックもあります(図4-9).ちなみに,
マイク入力が独立している場合の多くは入力回路もステレオ(2ch)ですが,コンボ・ジャックのマイク
入力はモノラル(1ch)です(後ほどVIを作成して確かめる).
 デスクトップPCではマイク入力とヘッドホン出力のほかに,ライン入力とライン出力があります(
4-10
).マイク入力とヘッドホン出力は,前面パネルにあるかもしれません.
 マイク入力とライン入力の違いは,扱う信号レベルとプラグイン・パワーの有無です.PCが想定し
ているマイクロホンはエレクトレット・コンデンサ型で,PCから電源(プラグイン・パワー)を供給し
ます(図4-11).大雑把にいって,マイクの信号レベルは3〜30mV,ライン入力のレベルは100〜
300mV程度です.ダイナミック・レンジを考慮してもマイクで300mV,ラインで2V程度までの振幅が
扱えればよいと思います.
 また,ヘッドホン出力とライン出力は,負荷を駆動する能力の違いです.ライン出力の相手先は低く
ても数kΩ以上の入力インピーダンスがあるので駆動する際に電力はいりません.一般的なヘッドホン
はインピーダンスが16〜70Ω程度と低く,音量によっては50〜100mAの電流が必要です.ノートPC
では,スピーカを鳴らす信号をヘッドホン出力に回せばよさそうです(直列に抵抗が入っているかもし
れない).高級なサウンド・カードは,専用のヘッドホン・アンプが付いていることをアピールしてい
るものもあります.
 外部マイクを差し込むと,内蔵マイクが切れて外部マイクが有効になります.ヘッドホンをつなぐと
内蔵スピーカから音が出なくなります.昔はプラグを差し込むとジャック内の電極が離れてスピーカへ
の経路を切断していましたが,HD Audioではプラグが差し込まれたことを検出するセンサがあり,そ
の状態を読み取ってソフト的に切り替えています.他の入出力ジャックも同様なので,特にデスクトッ
プPCではプラグを差し込まれていない端子は「接続されていません」となって設定などができません.

ヘッドホン・ジャック

マイク・ジャック

図4-8 
ヘッドホン・ジャックと
マイク・ジャック

コンボ・ジャック

図4-9 
ヘッドホンとマイク両方
の端子を1つのジャック
にまとめたコンボ・ジャ 
ック

図4-10 右列上からライン入力,
ライン出力,マイク入力

左列は追加の出力チャネルと光ディジ

タルI/F