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WebShop書籍・雑誌総合案内>トラ技RTKスタータキット移動局用【TGRTK-B】

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NEO-M8P-0モジュール搭載(RTKエンジン,RAW対応),GPS/Beidouアンテナ付き

トラ技RTKスタータキット移動局用【TGRTK-B】

小 化粧箱入り B5封筒
価格22,000円(税込)
2017年12月10日発行
基本設計 サイレントシステム /
【直接販売商品】
好評発売中!

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 本キットは,トランジスタ技術2018年1月号特集「地球大実験 ピタリ1cm!新GPS誕生[CD付き]」の連動企画商品(写真1)です.
 スマホや自動車のナビゲーションなど,衛星を使った従来の測位法(単独測位という)の精度は3〜10mです.移動局(車や人)は,高速で地球を周回する複数の衛星との距離を測り,そのデータから自分の位置を割り出しています.移動局だけで測位をするので単独測位と呼びます.
 特集で紹介するのは,別途,測位レシーバを地上に固定し,その位置情報(緯度,経度,高度)と受信電波の波長を放送する新しい測位法「RTK(Real-Time Kinematic)」です.
キット付属のアンテナについて
▲測位精度が数cmとなるFix解を短時間で得るにはGPS+BeiDouの選択がお勧め
 キット付属のアンテナはGPS(米国が管理運営する測位システム)のL1帯の受信周波数
に対応したアンテナです.キットで使う受信モジュール(ユーブロックス社のM8P)は
GPS+BeiDouの同時受信,もしくはGPS+GLONASSの同時受信を選択できます.現状では,
RTKにおいて水平方向の測位精度が数cmとなるFix解が短時間に得られやすいことから,
GPS+BeiDouを選択されることをお勧めします.
▲キット付属のアンテナはRTK測位体験用の入門者向け
 このGPS+BeiDou受信において,キット付属のGPSのみに対応したアンテナを使うと,
BeiDouの受信は可能であるものの,受信感度が約5dBHz低下することが確認されています.
 この問題は,RTKを体験する用途としては良いものの,仕事で使えるか性能を見極めたい,
周囲に建物や木々の障害物のある受信環境で使いたい場合には,RTK本来の性能を発揮でき
ない場合があります(GLONASS受信も同様に対応していません.受信感度の低下や受信でき
ない場合があります).
▲短時間で精度の高いFix解を得たい用途には高性能なアンテナを使う
 今回のキットでは,まず皆様にRTKを体験してもらうべく,低い価格を実現するため,
このアンテナを付属することになりました.本来のRTKの性能を引き出し,短時間で精度の
高いFix解を得るには,受信感度や軸比の性能の高いアンテナを使用することが必要です.
特にローコスト受信機では,その性能を左右する大きな要素の一つになります.
 まずは,周囲に障害物が少ない環境でキット付属のアンテナを試して頂き,BeiDouの受信
感度を確認した上で,次のステップとして,性能の高いアンテナの購入をご検討いただければ
幸いです.
▲高性能なアンテナの情報は本誌2018年1月号の特設Webサイトで紹介
 アンテナは世界中のメーカから様々な機種が販売されています.どのアンテナの性能が高い
のか性能表を見ただけではわかりません.
 そこで,2018年1月号のサポート・サイト(https://toragi.cqpub.co.jp/tabid/865/Default.aspx)
において,定評のある低価格アンテナをご紹介させていただきます.これは先人達が人柱になって
評価してきた成果でもあります.もっと安くて性能の良いアンテナがあるかも知れません.
そのような情報がありましたら教えて下さい.評価した上で必要に応じてご紹介いたします.

理論精度2mm!新測位技術 RTKを試せる
▲従来法の測位精度
 従来の測位法では,移動局の受信機は衛星が放送する1.023MHzのコードを観測します.1コード長(約300km)は,1023ビット構成されているので,1ビットあたりの長さは約300mです.受信機はこれを1/100に分解して測位します.したがって衛星とアンテナ間の測距精度は数メートル(3〜10m)です.
 図1(a)に定点での単独測位の結果(水平方向)を示します.誤差範囲が水平方向に数メートルあります.
▲RTKの測位精度
 RTKの受信機は,約1.5GHzの搬送波を直接観測します.1波長(約19cm)の1/100の分解能をもっているため,約2mmの精度で測距できます.
 図1(b)に示すように,RTK測位の精度は,水平方向に数センチ・メートルです.

図1(a)


図1(a)



図1(b)


図1(b)




RTKモジュール1個で1cm測位を初体験
 図2に,1cm測位技術 RTKのミニマムな実験環境を示します.用意するものは次の三つです.
(1)トラ技RTK測位スタータキット基準局用 TGRTK-A
(2)トランジスタ技術2018年1月号の付録CD-ROM
付録CD-ROMのコンテンツはこちらを参照してください

(3)WindowsパソコンまたはLinuxパソコン(ラズベリー・パイなど) 1台

図2


図2




全国1cm測位プロジェクトにご協力を!
 1cm測位のかぎを握るのは地上基準局です.次の3種類あります.
(1)自分専用(本特集ではMy基準局と呼ぶ)
(2)企業や大学が公開しているもの(本特集ではオープン基準局と呼ぶ)
(3)国土地理院が所有しているもの(全国に1300箇所)
基準局はできるだけ近くにあるほうが,精度が高まります.特に半径10km以内にあれば,数cmの精度が出ます.なお,基準局が200kmほど離れていても30cmほどの精度が出ると言われています.
 そこでトランジスタ技術編集部では,町に基準局が1つあれば,日本全国で1cm精度のリアルタイム測位が可能になると考えて,「トラ技RTKスタータキット」を開発しました.
 基準局設置にご協力いただいた方には,21,600円でご提供いたします.
 「トラ技RTKスタータキット」に搭載されているモジュール(NEO-M8P-0とNEO-M8P-2)にはRTK測位エンジンが組み込まれているので,サブGHzやLTEなどの無線通信機能を足せば,パソコン・レスのRTKエンベデッド・マシンを作ることができます.

●公開ずみの基準局一覧

図3


図3




RTK測位のメカニズム
 RTK測位では,座標がわかっている場所に,1台の受信機(基準局という)とアンテナを固定設置し,移動体(移動局という)にも受信機とアンテナを搭載します.基準局と受信機で得た計測データ(搬送波の位相など)からリアルタイムに現在位置を計算します.
 図2に示すように,搬送波を観測できる受信機のほか,基準局の観測データを移動局まで送る伝送手段(無線やモバイル・ルータなどによるIP通信)が必要です.
 RTK測位計算は,RTK測位計算エンジンをもつモジュールやパソコンがあれば可能です.

図4


図4




 図4にオープンソースプログラムパッケージRTKLIBを使ったRTK測位に必要な機器構成の一例を示します.オープンソースプログラムとしては,高須知二氏によるRTKLIBが有名です.その測位性能は世界的に評価され市販されている受信機の多くが,その影響を受けています.


RTKの応用
 1cm精度で測位できるRTK技術は,次のようにすでに応用が始まっています.

図5


図5




図5 地下埋設物可視化システム(AR View(清水建設,菱友システムズ))
地下に埋設されるガス管や通信ケーブル等を衛星測位(RTK法)と図面情報からARでiPadに表示するシステム.都市部の掘削工事ではなくてはならない技術になりつつある

図6


図6




図7 災害調査用ヘルメット(中電技術コンサルタント)
ヘルメットに装着された高精度衛星測位受信機やビデオ・カメラの情報を,スマートフォンを介して,IP通信やLPWAを切換ながら,逐次,調査情報を本部に伝送する災害調査支援システム

図7


図7

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