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POWER ELECTRONICS シリーズ熱しやすく冷めやすい先進半導体の最高性能を引き出すヒートシンクとファンによる熱設計の基礎と実践
電子機器の小型化や,電子機器に使われている半導体素子の高速化・高集積化によって,半導体素子をとりまく温度環境は厳しさを増しています.半導体素子は熱に弱く,温度が上がるほど寿命が短くなります.場合によっては,壊れてしまうこともあります.ヒートシンクを使えば,効率良く半導体素子の温度を下げることができます.ただし,間違った選び方や使い方をすると,温度が下がらないばかりか,さまざまなトラブルの原因になります.本書では,ヒートシンクの正しい選び方や使い方,放熱性能の確認方法について実例をあげて解説します.プリント基板や筐体など,ヒートシンク以外の熱設計にも応用可能な内容になっています.
目次
第1章 ヒートシンクの基礎知識 1-1 カタログ・データの見方 1-2 熱設計の基本 column1 温度の定義が約50年ぶりに改定 column2 単位系と単位 column3 ヒートシンクの製品や技術情報を入手する方法 column4 JIS規格の内容を確認する方法 第2章 伝熱の基礎と温度測定 2-1 冷却方式 2-2 ヒートシンクの種類 2-3 熱の伝わり方の基礎 2-4 熱伝導 2-5 対流熱伝達 2-6 熱放射 2-7 自然空冷と強制空冷の使い分け 2-8 フィン効率 2-9 温度測定 column 温度境界層と速度境界層 第3章 まちがいだらけの熱設計 ホントにあった話 3-1 カタログ・データの測定条件を確認しないで,ヒートシンクを選んだ 3-2 筐体の外の温度を周囲温度とした 3-3 ヒートシンクの切断長を2倍にすれば放熱性能も2倍になると思った 3-4 ヒートシンクの高さを2倍にすれば放熱性能も2倍になると思った 3-5 発熱素子とヒートシンク間の接触熱抵抗を気にしなかった 3-6 熱伝導シートの接触熱抵抗を考えていなかった 3-7 押出材の「平らさ」「曲がり」「ねじれ」の影響を考えなかった 3-8 ヒートシンクの温度が低いと,発熱素子の温度も低いと思った 3-9 発熱素子のサイズが変わってもヒートシンクの性能は変わらないと思った 3-10 消費電力が同じ発熱素子を等間隔に配置すれば,発熱素子間に温度差は生じないと思った 3-11 発熱素子の取り付け場所を変えても放熱性能は変わらないと思った 3-12 消費電力が同じ場合は,両面加熱でも片面加熱でも放熱性能は変わらないと思った 3-13 ヒートシンクを分割しても,放熱性能は変わらないと思った 3-14 周囲の部品からの熱の影響や,周囲の部品への熱の影響を考えなかった 3-15 アルミであれば熱伝導率は変わらないと思った 3-16 同じアルミ合金であれば熱伝導率は変わらないと思った 3-17 熱抵抗が1/2のヒートシンクを使えば,発熱素子の温度上昇も1/2になると思った 3-18 自然空冷でも強制空冷でもフィン効率は変わらないと思った 3-19 フィン板厚を2倍にするとフィン効率も2倍になると思った 3-20 同じ包絡体積のヒートシンクにおいて,フィン板厚が薄いと必ず放熱性能は下がると思った 3-21 表面積が広いほど放熱性能が上がると思い,狭ピッチでフィンをたくさん並べた 3-22 最適フィン枚数で設計したヒートシンクがベストだと思った 3-23 熱伝導率の高い材料を使えば放熱性能が上がると思い,ヒートシンクの材質をアルミから銅に変えた 3-24 ヒートシンクの取り付け方向を変えても放熱性能は変わらないと思った 3-25 表面処理で放熱性能が上がることを知らなかった 3-26 白色アルマイト処理を黒色アルマイト処理に変えると放熱性能が上がると思った 3-27 温度によってヒートシンクの放熱性能が変わることを知らなかった 3-28 放熱性能は包絡体積で決まると思った 3-29 放熱面積が広いほど放熱性能が上がると思い,ローレット付きヒートシンクを使った 3-30 包絡体積から強制空冷用ヒートシンクを選んだ 3-31 風速を2倍にすれば,放熱性能も2倍になると思った 3-32 ファンの最大風量がヒートシンクに流れる風量だと思った 3-33 ヒートシンクとファンの動作点を気にしなかった 3-34 ファンを2台直列に並べれば,風量も2倍になると思った 3-35 ファンは,ヒートシンクの風上と風下のどちらに取り付けても変わらないと思った 3-36 ヒートシンクの周囲に空間があっても気にしなかった 3-37 使っているうちにヒートシンクの放熱性能が下がった 3-38 通風孔をあけることで生じるノイズや騒音,筐体強度への影響を考えなかった 3-39 周囲温度が変動しても気にしなかった 3-40 周囲の空気の流れを気にしなかった 3-41 半導体素子の表面温度はどこを測っても同じだと思った 3-42 瞬間接着剤で熱電対を固定して温度を測った 3-43 セロハンテープで熱電対を貼り付けて温度を測った 3-44 熱電対の素線径を気にしなかった 3-45 ヒートシンクの表面に熱電対を貼り付けて温度を測った 3-46 熱電対の内部抵抗と電圧計の入力抵抗を気にしなかった 3-47 電圧計の分解能を気にしなかった 3-48 熱放射の影響を気にしないで熱電対を使った 3-49 熱電対の基準接点の温度を気にしなかった 3-50 放射率を気にしないで放射温度計を使った 3-51 放射温度計の最小検知寸法を気にしなかった 3-52 周囲からの放射を気にしないで放射温度計を使った 3-53 放射温度計のレンズの汚れを気にしなかった 3-54 半導体素子とヒートシンクの接触面に異物付着やキズがあっても気にしなかった 3-55 ヒートシンクを基板に固定しなかった 3-56 ねじの締付トルクを気にしないで,ヒートシンクに半導体素子を取り付けた 3-57 仮締めや締め付け順を気にしないで,ヒートシンクに半導体素子を固定した 3-58 タッピングねじでヒートシンクに半導体素子を固定した 3-59 ヒートシンクの板厚を気にしないで,半導体素子をねじで固定した 3-60 熱流体解析ソフトウェアを使えば,誰でも同じ解析結果を得られると思った 3-61 熱流体解析ソフトウェアを使えば実測をしなくてもよいと思った 3-62 実測結果と解析結果が合わないので熱流体解析ソフトウェアを使うのをやめた column1 熱流体解析の条件 column2 改善効果を数値で! 性能向上率 第4章 パワー半導体の熱設計とヒートシンクの選定 4-1 温度が上がると半導体の寿命は短くなる! 4-2 ヒートシンクの半導体冷却効果 4-3 ヒートシンクの選び方 column お勧め!外付け部品6点でDC-DCコンバータを構成できるIC「SI−8050S」 第5章 ヒートシンクを活用した熱対策 5-1 放熱効果の確認方法 5-2 赤外線サーモグラフィ・カメラによる温度の測定 5-3 ZYNQ−7000の熱対策と温度測定方法 5-4 ヒートシンクの形状と固定方法 5-5 ヒートシンクを取り付けた場合の放熱性能 5-6 表面処理の放熱効果を確認する 5-7 接触熱抵抗の影響 第6章 電子回路シミュレータLTspiceを活用した熱設計 6-1 時間とともに変化する温度「非定常状態」を理解するためには,まず「定常状態」を理解すべし 6-2 非定常状態における温度変化を手計算で求める 6-3 LTspiceを使って非定常状態における温度変化をシミュレーション 6-4 実際のヒートシンクを使って非定常状態をシミュレーションする column 非定常状態におけるヒートシンク選定の注意点…条件によっては放熱特性が逆転する場合がある 第7章 熱計算の要「熱伝達率」を求める 7-1 「熱伝導」と「熱放射」は求めやすい 7-2 熱伝達率を求める方法 7-3 熱伝達率に関する無次元数 7-4 熱伝達率hの求めかた |
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