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POWER ELECTRONICS シリーズ

実験で学ぶ高速パワー・スイッチングのノウハウ

パワーMOS FET活用の基礎と実際

A5判 312ページ
定価3,080円(税込)
JANコード:JAN9784789830386
2004年11月1日発行
稲葉 保 / 著
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 パワーMOS FETはエレクトロニクス機器における電力制御デバイスとして広く使用されています.最新LSI技術の恩恵を受け,オン抵抗の小さな高速スイッチング素子として,パワー・エレクトロニクス回路の小型化,高効率化に大きく寄与しています.
 しかし,パワーMOS FETの効果的な活用は,そう簡単ではありません.高速・大電力になるほど,そして素子を破壊するようなことなく安全に活用するには,高速アナログ技術に裏打ちされたノウハウが必要です.本書では,実践的なパワーMOS FETの活用ノウハウを,実験と実用回路の試作によって余すところなく紹介します.
目次

 第1章 パワーMOS FETのあらまし
  1-1 パワーMOSをスイッチングさせる
   スイッチング動作をトランジスタと比べる
   パワーMOSが圧倒的な高速スイッチング
   電力損失でもパワーMOSが有利
   トランジスタは電流駆動,FETは電圧駆動
   Column1 MOS FETの表記シンボル
  1-2 パワーMOSの種類と特徴
   FETの仲間をダイジェストする
   Pチャネルを含めていろいろなパワーMOSも急速に台頭
   Column2 アナログ・テスタでパワーMOSをチェックする方法

 第2章 活用の決め手はゲート特性を理解すること
  2-1 抵抗負荷をスイッチングするだけでも…
   スイッチング測定ではテスト回路の構成が重要
   スイッチング特性…VGSの波形が綺麗ではない
   VGSの波形が綺麗ではない…他のパワーMOSでも傾向は同じ
   スイッチングのもう一つの特徴…オフ時間toffが長い !
   Column3 パワーMOSのスイッチング時間定義
  2-2 パワーMOSのスイッチング特性と電極間容量
   電極間容量がVDSによって変化する
   入力容量CissがVDSの影響で大きく変化する…ミラー効果
   パワーMOSの電極間容量を測定すると
   ゲート入力電荷…ゲート・チャージQGを測定する
   内部ゲート直列抵抗rGと入力容量Cissの影響
   ゲート・チャージからドライブ電力を求める
  2-3 ゲート直列抵抗とスイッチング時間の関係
   ゲート直列抵抗を変化させると
   ゲート直列抵抗RG=0Ω/25Ω/50Ωでのスイッチング特性
  2-4 パワーMOSの電気的特性と特徴
   低オン抵抗と高耐圧は両立しない
   低オン抵抗と低ゲート・チャージは両立しない
   最大ドレイン電流と入力容量Cissは比例する
   スイッチング速度を速くしたいなら
   Column4 パワーMOSのキー・パラメータ

 第3章 パワーMOSドライブ回路設計の基礎
  3-1 ゲート・ドライブで重要な電気的特性
   パワーMOSをドライブするときの検討事項
   ゲート・ドライブ回路の負荷は静電容量
   ゲート-ソース間の入力インピーダンス
  3-2 ゲート電流波形を観測してみよう
   Ciss=3300pFのパワーMOS
   基本的なロー・サイド・ゲート・ドライブ回路
   入力容量10000pFをドライブする
  3-3 ゲート・ドライブ電圧と負荷の影響
   ゲートのオーバ・ドライブはスイッチングを遅くする
   純抵抗の負荷はあり得ない
   配線材のインダクタンスを測ってみると
   LR直列回路が負荷になるときのスイッチング特性
   負荷をインダクタンスだけとした場合
   リーケージ・インダクタンスのあるトランスをドライブすると
  3-4 パワーMOSの基本ドライブ回路
   もっとも簡単な例…ソース接地1石/2石スイッチング回路
   センタ・タップ付きトランスを使うプッシュプル・スイッチング回路
   中電力回路ではハーフ・ブリッジ回路
   大電力回路ではフル・ブリッジ回路
   Pチャネル・パワーMOSによる回路
   Column5 ハイ・サイド・ゲート・ドライブ用ブートストラップのしくみ
  3-5 過電流保護付きロー・サイド・ゲート・ドライブ回路
   過電流保護の必要性
   ロー・サイド・ゲート・ドライブ回路での過電流保護動作の確認
   過電流保護付きロー・サイド・ゲート・ドライブ回路の実際
   過電流保護動作のテスト
   負荷を短絡したときのテスト
  3-6 電流制限付きドライバ専用IC IR2121を使う
   専用ICの定番IR2121
   10000pFのドライブ能力がある
   負荷短絡状態をテストすると
   エラー出力端子の電圧波形を観測する

 第4章 パワーMOSの絶縁ゲート・ドライブ技術
  4-1 なぜ絶縁ゲート・ドライブ回路か
  4-2 パルス・トランスの特性を理解しよう
   パルス・トランスは難物だが…
   パルス・トランスの周波数特性
   パルス・トランスの応答特性
   トランスによる絶縁ドライブ回路
  4-3 パルス・トランスによるPWM用絶縁ドライブ回路
   プッシュプル用センタ・タップ付きパルス・トランスを使用する
   ハーフ・ブリッジ用絶縁ドライブ回路では
  4-4 パルス・トランスによるデューティ比の問題を解決する
   広範囲にデューティ比を可変させるには微分トランス
   インダクタンス6.4μHのトランスで絶縁ドライブ回路を実験
   Column6 ゲート・ドライブ回路の出力強化法
  4-5 フォト・カプラによる絶縁ゲート・ドライブの検討
   パルス・トランスとどう違うか
   フォト・カプラのハイ・サイド・ドライブ回路用補助電源はどうするか
  4-6 各種フォト・カプラの特性を検討する
   汎用フォト・カプラTLP521の特性…応答が遅い
   高速フォト・カプラTLP559の特性
   超高速フォト・カプラ6N137の特性
   IGBTゲート・ドライブ用フォト・カプラ TLP250の特性
  4-7 フォト・カプラを使用した絶縁ゲート・ドライブ回路の実際
   高速フォト・カプラTLP559を使用したゲート・ドライブ回路
   0〜120V非絶縁型可変電源への応用
   超高速フォト・カプラ6N137を使用した高速ゲート・ドライブ回路
   Column7 パワーMOSを使う同期整流とは

 第5章 パワーMOSの安全対策…過電圧/過電流保護回路
  5-1 パワーMOSが壊れる要因
   パワーMOSが晒される電気的ストレス
   基本は消費電力を抑えてチップ温度の上昇を防ぐ
   Column8 パワーMOSの静電破壊対策
   パワーMOS特有のアバランシェ破壊
  5-2 ボディ・ダイオードの特性と破壊
   ボディ・ダイオードは逆回復時間trrが遅い
   逆回復時間trrを測定するには
   逆回復時間trrの実測
   ハーフ・ブリッジ回路のボディ・ダイオードに流れる電流
  5-3 パワーMOSの並列接続におけるドレイン電流アンバランス
   パワーMOSの並列接続ドライブにはソース抵抗を挿入する
   ソース抵抗なしに並列化すると
   実装を変更してアンバランスを小さくする
  5-4 破壊につながるあれこれとその対策
   ハーフ・ブリッジ回路における短絡電流防止…デッド・タイム
   大きなdv/dtによる誤ターン・オン
   スナバ回路で誤動作や破壊を防止する
  5-5 電流制限回路の設計と実験
   パワー回路で欠かせない保護回路とは
   過電流センシングには微小抵抗
   電力用抵抗器のインピーダンスおよび周波数特性に注意する
   インダクタンス分のある抵抗器にパルス電圧が加わると微分波形が現れる
   スイッチング回路における実際の電流センス電圧波形
   カレント・トランスによる電流検出は電力損失がない
   カレント・トランスのパルス応答
   CTによるハーフ・ブリッジ出力回路でのセンシング波形
   ACライン入力では大きな突入電流に留意する
   パワーMOSによる突入電流制限回路の実現
   パワーMOSによる電子ヒューズの実現
  5-6 過電圧保護回路の設計と実験
   過電圧保護回路とは
   どこにでも使える過電圧検出回路の実現
   プッシュプル出力回路で負荷がオープンになると
   プッシュプル出力回路構成の実際
   負荷オープン時のサージ電圧を検出するには
   負荷オープン時のドレイン電圧波形とスナバ電圧波形

 第6章 Pチャネル・パワーMOSの応用技術
  6-1 Pチャネル・パワーMOSを使うと
   PチャネルMOSの特徴
   PチャネルMOSの効果的な応用例
  6-2 ハイ・サイド・スイッチング…ロード・スイッチ回路の設計
   ハイ・サイド・スイッチング回路の基本構成
   12V・10Aライン・ロード・スイッチの設計
   負荷側コンデンサへの充放電電流に留意する
  6-3 コンプリメンタリ・プッシュプル出力回路の設計
   回路構成はシンプルになる
   Column9 カレント・プローブを自作する
   コンプリメンタリ・スイッチング回路の実際
   スイッチング波形は良好だが…
  6-4 コンプリメンタリ・ハーフ・ブリッジ回路の設計
   Nチャネルを使った一般的なハーフ・ブリッジ回路の確認
   Pチャネルを利用したコンプリメンタリ型ハーフ・ブリッジ回路
   コンプリメンタリ型ハーフ・ブリッジ回路のトランス
   コンプリメンタリ型ハーフ・ブリッジ回路の各部動作波形
  6-5 リニア動作の可能なハーフ・ブリッジ回路
   コンプリメンタリ型回路のクロスオーバひずみを改善する
   Column10 クロスオーバひずみ改善のポイント
   クロスオーバひずみの改善を確認する

 第7章 電子式ステップ・ダウン・トランスの設計
  7-1 PWM制御の原理と構成
   電圧制御…なぜPWM方式が良いのか
   PWM…パルス幅制御による電圧制御のしくみ
   PWM制御回路の構成
  7-2 ステップ・ダウン回路の構成
   基本はPWMステップ・ダウン・コンバータ
   大電力アナログ・スイッチが必要
   パワーMOSを交流スイッチとして使うときの動作
   交流に対するアナログ・スイッチ動作の確認
   Column11 フォトMOSリレーとは
  7-3 絶縁ゲート・ドライブ回路の設計
   パルス・トランスによる絶縁ゲート・ドライブ回路
   実際のゲート・ドライブ波形
   PWM制御用IC…μPC1909CXのあらまし
  7-4 電子式ステップ・ダウン・トランスの試作と評価
   動作のあらまし
   過電流保護回路はシャット・ダウン方式
   出力フィルタの設計
   AC入力ライン側にもフィルタが必要
   各部の動作波形を確認するには
   デッド・タイムの設定
   応答性…ソフト・スタートが実現できている

 第8章 12V・2.5Aスイッチング電源の設計
  8-1 スイッチング電源を設計しよう
   設計するスイッチング電源のあらまし
   スイッチング電源の種類
   スイッチング電源の代表…フォワード方式の基本構成
  8-2 12V・2.5Aフォワード型スイッチング電源の設計
   設計する電源回路のあらまし
   電源コントローラの周辺回路
   Column12 スイッチング電源のその他の回路方式
  8-3 スイッチング・トランスの製作
   コアの種類と巻き数
   各巻き線の特性
   コアが磁気飽和するとトランスのインダクタンスが激減する
   使用したコア材の特性
  8-4 各部の動作波形観測と評価
   パワーMOSのVDSとID波形を見る
   無負荷時のTr1のVDSとID
   スイッチング・トランスT1の2次巻き線出力とL1に流れる電流
   過負荷時のTr1のVDSとID
   出力ノイズ波形
   出力応答波形

 第9章 力率補正付き0〜100V・2A電源の設計
  9-1 設計する電圧可変型スイッチング電源のあらまし
   出力電圧を可変できるようにするには
   可変電源構成のあらまし
  9-2 PFCおよびプリレギュレータの設計と評価
   PFC…パワー・ファクタ・コレクションとは
   PFCおよびプリレギュレータ周辺の設計
   PFCの出力電圧を制御するには
   ACラインの電圧・電流波形を測定すると
   ブースト・インダクタに流れる電流
   Column13 高速スイッチング・ダイオードの違い
  9-3 可変電源制御部の設計と評価
   ハーフ・ブリッジとPWM制御回路から構成する
   出力トランスと周辺回路の設計
   PWM制御回路のあらまし
   PWM制御IC MC34025Pの周辺設計
   PWMコントロ-ラMC34025Pの動作を観測すると
   ハーフ・ブリッジ出力と平滑インダクタに流れる電流
   無負荷時の出力波形は
   電圧可変型電源の応答を改善する
   AC電源ON時の出力電圧応答は

 第10章 PWM方式D級アンプの設計
  10-1 D級アンプの原理と基本回路
   増幅回路としてのA級/B級/C級アンプ
   ON/OFFスイッチング素子で構成するD級アンプ
   PWMアンプのあらまし
  10-2 PWM回路の設計と評価
   PWMスイッチング周波数は最高入力周波数の約10倍に
   スイッチング電源ICでPWM信号を発生させる
   Column14 LCフィルタの特性
   発振周波数foscの設定
   PWM変調信号と復調信号の測定
  10-3 ドライブ&パワー・スイッチング回路の設計と評価
   単極性の信号を両極性に変換する
   本回路の最大出力電力
   Column15 BTL(Bridged Transformer-Less)方式とは
   出力ローパス・フィルタの設計と製作
   オープン・ループにおける動作波形
  10-4 ポイントは負帰還回路の設計
   μPC1099CXの出力を帰還する
   ローパス・フィルタの出力側から帰還すると
   クローズド・ループでの動作波形
   PWM出力波形とゲート・ドライブ波形の観測
   出力インダクタに流れる電流波形
   周波数特性の確認

 第11章 38kHz-100W超音波発振器の設計
  11-1 超音波発振器の原理と構成のあらまし
   超音波発振器は何をするもの
   メインの部品…超音波振動子
   超音波発振器の全体構成
   PLLによる発振回路の構成
   BLTとの整合とパワー・スイッチング回路
  11-2 超音波振動子 BLTの特性を測定する
   BLTの等価回路は…
   水中でのインピーダンスと位相の周波数特性
   ゴム・シート上でのインピーダンスと位相の周波数特性
   アドミタンスで評価する
  11-3 インピーダンス整合回路の設計
   整合回路のあらまし
   LCR直列回路で整合する
   位相推移特性を考慮する
  11-4 ドライブ回路とスイッチング回路を設計して整合回路に接続する
   絶縁ゲート・ドライブ回路とパワー・スイッチング回路
   整合回路の出力電圧と出力電流の波形
   発振周波数と出力電流の位相
   整合回路における昇圧動作
   絶縁ゲート・ドライブ回路の波形を観測する
  11-5 PLL回路(VCOとPSD)の設計と動作の確認
   MC34025PによるVCO回路の設計
   定電流回路を外付けして内蔵の発振回路を制御する
   位相比較回路PSDの設計
   周波数ロック時の位相比較器の入出力波形
   発振周波数の自動制御のようす
  11-6 定電流制御回路の設計と動作の確認
   BLTに流れる負荷電流と設定電流の比較回路
   PWM制御信号を生成する回路
   定電流制御回路の動作波形を観測する
  11-7 可変電源とアラーム/保護回路の構成
   可変電源はハーフ・ブリッジ型
   可変電源回路の動作
   アラーム回路と保護回路の構成
  11-8 製作した超音波発振器の特性確認
   二つの制御ループから構成されている
   起動特性で動作の安定性を見る

 第12章 高周波誘導加熱装置の設計
  12-1 高周波誘導加熱装置のしくみと構成
   高周波誘導加熱装置とは
   高周波誘導加熱の原理
   高周波誘導加熱装置を作る
  12-2 加熱用コイルの設計・製作
   加熱用コイルの仕様
   Qの高いコイルを直列共振させる
   平板コイルの交流特性
   コイルを直列共振させると…
   ソレノイド・コイルの交流特性
  12-3 高周波誘導加熱用発振器の製作
   回路構成のあらまし
   ハーフ・ブリッジ出力回路とLC直列共振回路の製作と動作の確認
   ゲート・ドライブ回路の製作と動作の確認
   PLL回路とPWM回路のあらまし
   定電流制御回路の製作
   電源回路の製作と動作の確認
   高周波誘導加熱装置の評価

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